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終盤に勝利をもぎ取り
V10達成の小川友幸

負傷をおしてあわや優勝
底力を見せて黒山健一

終盤までトップの野崎史高
最後の最後に悔しい結果

国際A級スーパークラス

2020全日本トライアル選手権シリーズ第4戦近畿大会

2020年全日本選手権も最終戦となった。11月8日の最終戦は、近年では異例の遅いスケジュールとなるが、本来、この近畿大会は開幕戦の予定だったのだが、コロナ禍の中、11月に日程を移動して、さらに無観客となっての開催となった。中部大会が台風の影響で中止となったため、2020年シーズンは3戦のみ。開幕から終幕まで1ヶ月ちょっとという異例のシーズンとなったが、それだけに、戦う選手の熱気にあふれた和歌山県湯浅の会場となった。

■国際A級スーパークラス

◎競技前日のパドック(MFJ公式ライブ動画)
◎1ラップ・第5セクション(MFJ公式ライブ動画)
◎決勝・SS(MFJ公式ライブ動画)

チャンピオン争いに権利を残すのは3人。自力優勝の可能性があるのは、ランキングトップの野崎史高(ヤマハ)と小川友幸(ホンダ)のふたり。この二人の成績いかんでは、黒山健一(ヤマハ)にもタイトル獲得の可能性が残っている。

土曜日には雨がぱらつき、夜にはまとまった量も降った。これがセクションにどんな影響を与えるのか、濡れた会場が、どんな難所になっていくのか。今回のセクションは、沢を含む森の中に7セクション、本部に近い開けた斜面に3セクションが設けられた。

好調なスタートを切ったのは野崎、小川、黒山のチャンピオン争いの3人。3人は4セクションまでをすべてクリーン、続くは柴田暁(ヴェルティゴ)6点、氏川政哉(ガスガス)9点、小川毅士(ベータ)と吉良祐哉(シェルコ)の13点だから、トップ3のハイスコアが際立っている。

小川友幸が第5で1点、第6で5点となってちょっと後退するが、3人の接戦が続く。1ラップ目は黒山の好調が光り、10セクションを終えて減点5点。野崎が10点、小川が12点で続いた。4位の柴田は19点、5位氏川が20点。トップ3にはちょっと離されたが、まだ追い上げのチャンスはある。

2ラップ目、黒山が逃げ切り、野崎、小川が3位以下なら、黒山が大逆転でタイトル獲得となるのだが、どうなっていくか。しかし実は、黒山は前戦の東北大会で負傷していて、痛みをおしてのライディングとなっていた。傷はまだ癒えていない。大会の日程がつまっているので、じっくりなおすことができないまま、湯浅入りを果たしていた。そんな状況だから、黒山は東北大会以来、マシンに乗ってのトレーニングはまったくしていないという。

黒山は、第1、第2をクリーンした後、第3で1点、第4で3点、第5で1点と、ぽつぽつと減点をし始めた。トレーニング不足がスコアに表れてきたのだ。1ラップ目のリードをどこまで守れるか。対してチャンピオン候補最右翼の二人、野崎と小川は1点も許すまいとする攻防戦を展開する。第3で野崎が1点減点。小川との点差が1点に縮まった。第6セクションまでを終えたところで、野崎11点、小川と黒山が12点と、たいへんな大接戦となった。クリーン数では小川が黒山に勝っているので、このままなら野崎が優勝とチャンピオンを手に入れ、小川が2位、黒山が3位ということになる。ただ、鬼門たる難関は第9、第10にあった。

1ラップ目、第9セクションを抜けられたのは黒山のみ。ここを抜けられれば、試合展開をがぜん優位に持っていける。しかし2ラップ目は、この3人を含めて誰もここを抜けられなかった。勝負はまだ決まらない。そして最終10セクション。黒山が2点で抜けると、次にトライしたのは野崎だった。第9を抜けて勝負を決定的にしたかった野崎だがそれはならず、ここをクリーンしてもSSがまだ残っている。なかなか勝ちを決められない。と、第10の最後のポイントで、野崎がまさかの失敗。リードを失い、さらに逆転も許してしまった。

最終第10を最後にトライしたのは小川。小川はこのセクションを華麗にクリーン。ここをクリーンしたのは1ラップ目の野崎、2ラップ目の小川毅士、そして両ラップともにクリーンした小川友幸の3人だけだった。ただし小川は時間がぎりぎりアウトで、1分の隊編むオーバー減点があった。2ラップを終えてのトータルは、小川が18点、黒山が19点、野崎が21点と僅差で並んだ。4位氏川は37点、5位争いが小川毅士と柴田で同点の44点(クリーン数ではわずかに小川毅士が勝っている)。トップ3と4位以下には大きな差がついた。

最後の勝負はSS(スペシャルセクション)。いつもは2セクション用意されるSSだが、無観客試合であることもあって、1セクションのみが用意された。第10セクションを手直しして、ダイナミックな構成になっている。

10位吉良祐哉(シェルコ)、9位武井誠也(ホンダ)、8位齋藤晶夫(ホンダ)、7位久岡孝二(ヤマハ)と次々に5点となり、順位の変動もない。5位争いの小川毅士と柴田も、両者5点となり、順位はそのまま。ランキングは小川が4位を奪還した。

フレームが折れたまま、応急修理で走り続けた氏川が、このセクション初めて3点で走りきると、上位陣にはクリーンの可能性も出てきた。

ここへきて、野崎が勝利をつかみ、チャンピオンの座を獲得するには、とにかくSSをクリーンするか、せめて減点を1点以内におさえておく必要がある。しかし野崎は、チャンピオンと勝利がかかった緊張からか、最後の難関にいたる以前に1点、2点と減点。野崎が2点を失った時点で、野崎の勝利と初タイトルはなくなってしまった。

次のトライは黒山。ポイントをひとつ越えるごとに声を出して痛みと戦うライディング。黒山の減点は2点だった。最後のトライが小川。小川のタイトルは計算上決まっているが、セクションに集中する小川はまだその事実を知らないようだ。小川もまたクリーンはできなかったが、最後の難関で1回の足つき、SSを最小減点の1点で抜けて、チャンピオン獲得と同時に、黒山との点差を2点として、最終戦勝利を決定づけた。

【小川友幸のコメント】

ほっとしました。よかったです。調子は悪くなかったんですが、前半は負けそうな感じで試合が進んだので、最後まで厳しい戦いになりました。でも走っていてとても楽しかったので、いい結果になってよかったです。来年はお客さんの前で、みんなで楽しめればいいなと思います。ありがとうございました。

【黒山健一のコメント】

今日は上出来です。1ラップ目は思いのほか調子がよくてトップだったので欲が出ましたが、2ラップ目は体力不足です。とにかく痛いので、たいへんでした。むしろ、今日の試合でまたぶつけたらリタイヤも覚悟をしていましたから、この結果で終えられたのは、ラッキーでした。勝てる試合を落としたという感覚ではまったくありません。上出来です。

【野崎史高のコメント】

終始リードしていたのはわかっていたんですけど、最終セクションのミスですべてがひっくり返ってしまいました。その一瞬のミスをしっかりつついて勝利を奪っていく小川選手はさすがだと思います。ほんとうにくやしいこと、このうえないです。今日は完全に3人の戦いで、その中に入って戦えたというのは収穫ですが、勝てなければなんにもならないです。


最終戦も優勝
堂々チャンピオン廣畑伸哉
左の村田慎示、右の本多元治
先輩たちに囲まれる廣畑

国際A級

今シーズン連勝を続けるルーキーの廣畑伸哉(ガスガス)。廣畑は今回の会場のある湯浅町の出身で、この会場は庭のようなもの。チャンピオン獲得と同時に、地元での勝利が期待される。タイトルは決定していないものの、廣畑が6位以上の順位を維持すれば、自力でタイトル獲得が決定する。

しかし廣畑の出だしはよくなかった。第1セクションで5点、第2で2点、第3で3点と、序盤の3セクションで10点を失ってしまった。点数的にはこれでもトップレベルなのだが、廣畑本人としては不本意な減点が続いたことになる。

しかしそこから、廣畑の切り替えと反撃が始まった。序盤の3セクションで10点を失いながら、1ラップ目の減点は15点に抑え、2位の村田慎示(ホンダ)、3位の本多元治(ホンダ)に1点差ながらトップに立った。

2ラップ目、今度は第1セクションをクリーン、第2こそ3点となったが、第3は再びクリーン。この両セクションをクリーンしたのは廣畑だけだった。こうなると廣畑の本領発揮。2ラップ目の廣畑は、ただ一人一ケタ減点をマークして、結果、2位の村田に9点差で最終戦を勝利した。

3戦全勝、文句なしのチャンピオンの誕生だ。

【廣畑伸哉のコメント】

めっちゃうれしいです。今日の会場は地元中の地元なんですけど、逆に緊張の方が大きかったです。途中、落ち着きないぞといわれて、2ラップ目にまとめることができて、よかったです。来年はIASですが、今は不安しかないです。でもシーズンオフにどこまで慣れることができるか、ということになると思います。

 


連勝記録を伸ばし
V5達成の西村亜弥

左から小玉絵里加、西村
3位の山中玲美

 

レディースクラス

今年の常連6名に加えて、宮本美奈(モンテッサ)の久々の参加で、8名となった最終戦。優勝は西村亜弥(ベータ)、2位小玉絵里加(ホンダ)、3位山中玲美(ホンダ)は前回同様の結果となった。

西村は減点11で2位の小玉には8点のリードを築いた。クリーン数も小玉の8に対して13。しかし西村が2ラップとも1点で抜けている第2セクションは、小玉と小谷芙佐子(ヤマハ)が1度ずつクリーンするなど、レディースライダーの技術も確実に向上しつつある。

これで西村はレディースクラス5連覇を達成。初めて全戦参加した清水忍(TRRS)、齋藤由美(ベータ)がランキング4位、5位に入るなど、来シーズンの発展が楽しみなレディースクラスだ。

【西村亜弥のコメント】

今日は早回りをして、自分を失わずに走ることができました。前回、クリーンを狙って5点となったことがあったので、今日は5点だけはやめようと思いましたが、結果的にはちょっと減点しすぎだったかな? でもからだも動いていたし、完璧ではなかったと思いますが、まずまずだったと思います。ありがとうございました。

 

10代のライバルを尻目に
いぶし銀勝利の和田弘行

左から福留大登、和田
小学生の黒山陣が3位

 



国際A級、レディースと同様に、開幕戦から連勝している中山光太(ベータ)。連勝が続くかが興味の的だが、中山は8位以上に入れば自力でチャンピオンを決定できる計算だ。

国際B級のトップクラスにとって、今回のセクションは最小減点で走りきれる設定だった。とはいえ、下位グループではかなりの減点数となっていたから、けっして簡単なセクションではない。

1ラップ目、5点なしで走りきったのは福留大登(ガスガス)。福留は東北大会でランキング2位に浮上しているこのクラス2年目の奈良県出身。近畿大会はホーム大会。福留の1ラップ目の減点は6点だった。

しかし1ラップ目のトップは黒山陣(スコルパ)。減点は福留と同点の6点ながら、クリーン数の差でのトップ。中山は5点ふたつで15点と、トップ争いからはやや遅れて5位で1ラップ目を折り返した。これらヤングライダーの戦いに混ざって、還暦ライダーの和田弘行(ガスガス)が7点で3位につけている。

2ラップ目、その和田が1点4つだけの4点と、素晴らしい走りを見せた。トータル11点で、2位福留に4点差で勝利を飾った。3位は黒山。2ラップ目にふたつの5点をとって勝利はならなかったが、小学生ながら開幕戦に続いて2度めの表彰台登壇でシーズンを終えた。

中山は、2ラップ目に5点と、和田に続く好スコアをマークしたが、4位に甘んじることになった。しかしタイトル争いには堂々勝利。3戦中2勝でチャンピオンを決めた。



【和田弘行のコメント】

廣畑、すごいな。言うとくけど、和歌山県人やで。同じ和歌山やし、いっしょに練習もするし、いっしょに勝ちたいなぁと思ったけど、1ラップ目5点を取って、優勝は無理やなぁと思って、2ラップも第1で1点着いたからあかんなと思ったけど、よかったわ。

【チャンピオン・中山光太のコメント】

最終戦も勝ちたかったので、悔しいです。最終戦というのと、優勝したいというので緊張してしまって、それでうまくいかないところがありました。来年は、廣畑伸哉選手と同じように、優勝して昇格したいです。