2015年よりST600クラスには、ブリヂストンタイヤのワンメイクとなり、公式予選・決勝と1セットで争われることになった。公式予選は、なるべく決勝に向けてタイヤを温存したいライダーがほとんどであり、1周だけのアタックを終えたらピットに戻るパターンが多く、そのタイミングが駆け引きとなっていた。この特殊な形の予選は、ベテラン大崎誠之が強く、ただ一人1分54秒台に入れる1分54秒248と2番手を0秒790も引き離してポールポジションを獲得。決勝も大崎がイニシアチブを握ることが予想された。 15周で争われた決勝レース。ホールショットを奪ったのは予選2番手グリッドからスタートした横江竜司。大崎は2番手につけ、フロントロウにつけた田尻克行が3番手につけるが、オープニングラップのヘアピンで健闘していた田尻が転倒。そのままリタイアとなってしまう。オープニングラップは横江が制し、大崎、チャランポン・ポラマイ、稲垣誠、デチャ・クライサー、榎戸育寛、近藤湧也、前田恵助、西山尚吾、岩戸亮介と続いて行く。2周目の1コーナーでは、大崎が横江をかわしトップに浮上。一気にペースを上げ、2周目に、このレースのファステストラップとなる1分54秒429をマークし、一気に2番手の横江に差をつけて行く。横江も単独走行となり、3番手争いは、デチャ、チャランポン、稲垣、榎戸の4台が繰り広げていた。ここからデチャが抜け出して行き、これを稲垣が追う展開となる。その後方では、チャランポンを先頭に、榎戸、前田、近藤湧也、岩戸が5番手争いを繰り広げていた。 トップを走る大崎は、周回ごとに差を広げ独走。そのままチェッカーフラッグを受け、うれしい優勝を飾った。2位に横江、3位にデチャが続き、ヤマハタイランドレーシングチームが表彰台の両脇を占めた。4位に稲垣が入り、5位争いは、前田が制し、チャランポン、大久保光、岩戸、榎戸と続いた。